ハイホーの山日記




奥多摩の山で山賊 




文春オンラインのニュースを見ていたら「奥多摩の山で山賊」という記事があった。「エエッツ山賊!」と驚いた。私は、山に登り始めて50年以上経つが、その間に、山に山賊が出たという話は初めて聞いた。山に登る人に悪い人はいないと思っていたからだ。知り合いが、登山口にジムニーを置いて山に登っていたら、幌(昔のジムニーには、運転席から後ろが幌の車もあった)をナイフで切られ、車内を荒されたという話は聞いたが、場所は登山口なので、犯人は山に登る人とは限らない。
山賊出現の記事をまとめると、こんな事件だった。

81歳の登山者が奥多摩の山を下山中、50歳代の男に棒で殴られ、6,000円入りの財布とデジカメを脅し取られたうえ、足蹴りされ斜面から突き落とされ大けがをした。 そのおよそ2週間後、今度は77歳の男性が下山中、前夜、小屋で同宿していた男に後ろから鉈のミネのほうで頭を殴られ、被害者が男の鉈を持っている方の手を両手で抑えると、拳で目を何度も殴られ、19,000円入りの財布を奪われた。被害者は血だらけになって救助を求めた。

その後、警察は、3件目の犯行を防ぐため、パトロールを続けたところ、第2の事件の10日後、手配中の男によく似た登山者に職質したら、なんとザックの中には血のついたタオルで巻かれた鉈が1丁、包丁が2丁、金槌が1本、ナイフが1本入っていたという。もちろん食料や金はまったくなかったから、第3の犯行を企て山に入ろうとしていたのであろう。
犯人は55歳の男で、高齢の単独行の登山者に狙いを定めていたようだ。最近、闇バイトで平気で人を殺傷する物騒な世の中になっている。皆さんも単独で寂しい山に行くときは、十分、ご注意を。

なお、この事件は、今から18年前の話である。何故、今頃になって文春オンラインが報道するのか、理由はよく分からないが、ニュースの最後に『侮るな東京の山 新編奥多摩山岳救助隊日誌』 (山と溪谷社) から抜粋とあった。


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