☆データ / Data

登山日 : 平成24年5月5日
山 名 : 雷倉(上のPHOTOは、途中の岩場、ヤブのあとの小広場から山頂を撮影。近くに見えたが、ここから頂上まで1時間40分かかった)
読 み : かみなりくら or らいくら
標 高 : 1,168.6m
地形図 : 樽見

☆登山口へのアクセス / Access

1.国道157号線のうすずみ温泉を過ぎたら左折して大門橋を渡り、県道270号線へ、。
2.道なりに進み、分岐を左折し八谷(やたに)の集落へ。
3.八谷橋の手前の右側の広くなっているところに車を停める。2〜3台置くことができる。この先には、駐車できそうなところはない。
4.橋を渡り、右へ。緩やかな坂を上ると、今は人が住んでいない古家の右に小路がある。ここが登山口。標示は何もない。

☆コース / Course

駐車場---(160)---小広場---(100)---頂上---(60)---小広場---(110)---駐車場

端数は10分単位で切り上げ。休憩時間は含んでいないが、堰堤での鉄の橋探しや頂上直下のヤブの中でのロス時間は含む。また、帰路、西尾根周辺を彷徨した時間は含まない。

☆まえおき / Preface

15年くらい前、まだインターネットが一般的でなかった頃、地図を見ていて「雷倉」という名の山を発見した。いかにも登山意欲を書きたてる名前だったので資料を探した。自宅にあるガイドブックには載ってなかったので、当時、柳ヶ瀬にあった自由書房の本店へ行ったが見つからなかった。そこで岐阜県図書館で探したら1冊だけ掲載されていたので、コピーをして持ち帰った。それによると、はっきりとした道はなく、相当のヤブ山と言うことだった。地図は載っていたが、手書きのような簡易な地図で、尾根を登るとは書いてあるが、具体的な登山道は記載されていなかった。ヤブ山登りには興味がなかったので、それきりになってしまった。その資料は、何も役に立たなかったが、今年の春まで、ずっと持っていた。なぜか棄てきれずにいた。

ところが最近では、数は少ないがネットで紹介されるようになった。分かりにくいところはあるようだが、登っている人もあるので、友人と二人で行ってみることにした。検索で最初に紹介されていたのが、Webサイト「可児からの山登り」のOさんの記録だった。地図をプリントさせていただいた。Oさんの地図は正確なので、よく拝見している。

5/5当日の朝のニュースは、白馬岳で九州からの6人の行方不明、爺ヶ岳で1名の遭難(帰宅してから全員、亡くなられたことを知った---合掌)。また、愛知県の明神山の岩場の梯子から転落で1名の死亡、下呂では熊に襲われ、山菜採りで1名負傷という、山繋がりの暗いニュースばかりだった。こういうニュースは、何かしら気持ちを不安にさせる。

私は、この山の名は「かみなりくら」と思っていたが、Webサイト「飛騨美濃山語り」のNさんによれば、藤橋・久瀬村では「らいくら」と呼び、「かみなりくら」と呼ぶのは根尾村だとか。ひとつ賢くなった。なお、この山と小津権現山、花房山で小津三山と言うそうだ。

☆記録 / Report

八谷橋の手前に車を置き、登山口まで行ったが、標識は何もない。古家を正面にして右に登って行くわずかな踏み跡を行くのだが、この道は、あらかじめ道があることを知っていても、下の写真のように分かりづらい。暗い植林地を進むと左に水槽が現れ、側溝のフタの道と合流し、その上を歩く。建て付けの悪いフタの上を歩くとポコポコ音がするので、外れはしないかと心配になる。今までいくつかの登山道を歩いたが、側溝の上を20分近く歩いたのは初めて。

前方に堰堤が見え、水が落ちているところに出る。ここで右に下り、鉄板の橋を渡るのだが、我々は堰堤まで行ってしまい、振り返って鉄板の橋を見つけて戻った。下りるポイントは、堰堤が見えたら立ち止まって右に下りる道を見つけよう。なお、堰堤を乗り越して沢を渡っても行けるが、沢を渡って対岸についてから登山道を見つけるのは、初めてだと苦労するかもしれないので、この道は帰路にしたほうが良いと思う。ただし、水量が多いと靴が水没する(下の拡大図ご参照---赤線はイメージ)。

鉄板の橋を渡ると、登りの道となるが、すぐに鋭角に左折する。真っ直ぐの道もあるが、決して行ってはいけない。この日は、直進の道に木が数本、積んであった。このあとは尾根に乗って、どんどん高度を上げる。ところどころ急登もあるが、迷う心配のない1本道。途中、平坦なところが2ヶ所あったが、それ以外は登りが続く。展望もないので単調に感じるが、登り終わってから思ったことだが、単調なところが一番良かった。このあと、苔むした岩場の急登が続き、岩場が終るとヤブ漕ぎになる。そして、そのあとは・・・。



駐車場所 八谷橋 登山口の家
駐車場所 八谷橋を渡る 登山口は、この家の右にある
登山口 堰堤 下りる道
登山口 標識は何もない 堰堤が現れる 右下に下りる 草で見にくい
鉄板の橋 拡大図 尾根
鉄板の橋 堰堤周辺拡大図 尾根の急登


岩場の急登は手強かった。途中でストックは邪魔になったが、畳んでザックに仕舞いたくても、ザックを下ろす場所がない。仕方がないので持ったままだが、両手を使って体を持ち上げないと乗り越えられないところもある。日が当たらない場所なので苔むしており、手も滑るが靴も滑る。上を見上げると結構、長い。道はついていないので、自分で登りやすいルートを探す。大きな岩もあり、段差も大きいので直登も不可。ところどころ赤布があるので、それを目安に右に左に登って行く。

岩場から脱出すると前方にはヤブが待っていた。このヤブは距離も短く、木や笹が立っているので、両手でかき分けて進める。出たところが小広場。尾根歩きのとき、木々の間から、時折左に頂上が見えていたが、ここで雷倉の頂上の全容が見えた。同行者は金華山の頂上へ行くくらいの距離だから30〜40分もあれば着けるだろうと言ったが、3倍の時間がかかった。

そして、このルート唯一の標識がある尾根登りの入口に着いた。標識というより立て札だが、「ここは私有地なので、立入禁止、この警告を無視しての事故等には責任は負わない」と書かれている。しかし、「この先、崩壊」とも書かれているところを見ると、登山者ではなく林道を車で来る人に向けての警告かもしれない。といっても林道は潅木の林になっており、もう道ではないので、車で来ることもできないだろう。地図を見ると、この林道は、とても長いので、造るには相当の金額がかかっただろう。もったいない話、と同行者も言っていた。同感!

この尾根は、はじめのうちは勾配も少なく、木が倒れていても回り道ができるぐらい広さがあった。ヤブも両手で漕ぎながら進んだ。しかし途中からは、ヤブ漕ぎをしたくとも漕げない状態のところに出た。木やネマガリタケが立っていない、つまり、倒れているので漕げないのである。乗り越えようにも背の高さ以上ある。潜ろうにも、人が通れる隙間がない。結局、倒れている木の幹やネマガリタケを抱き起こすようにして肩に担ぎ、人が通れる空間を作って前に進むしかない。周り一面が倒れているところでは、どこが道なのかも分からない。今年は雪が多かった。まだ雪が解けて日が経っていないので、木々が十分に立ち上がっていないのである。ここを通過するには、残雪期かヤブが起き上がった頃でないと「労多くして・・・」である。また、この時期は芽吹き前なので見通しがあるが、葉が繁ったらジャッグル状態となるだろう。下の写真は、まだ余裕のあるときに1枚だけ撮ったが、この後は必死だったので写真は撮っていない。

このヤブの中で2回も道を見失ってしまった。1回は道を見つけて戻ることができたが、2回目は戻れなかったので、上を目指して突き進んだ。帽子は取られる、ザックは引っかかる。枝が顔面に飛んでくる。熊避けの鈴をカラビナに二つ、左右に付けていたが、一つは行方不明になった。帰路、枝に眼鏡を持っていかれたときは焦った。落ちた眼鏡がどこに飛んで行ったか分からず、探すのに時間がかかった。自宅に帰って風呂に入ったら、顔には引っかきキズ、ヒザから下は、打撲の内出血とスリ傷だらけ。太ももには強烈な擦過傷。腕にも何かが突き刺さったのだろうキズが点々。もちろん、長袖シャツに長ズボンとロングスパッツを着用していたのだが・・・。以前、テレビの登山教室で、講師が半ズボン、ゲストが半袖シャツで山登りをしているのを見て驚いたが、あの、お二方に、この道を歩かせてみたい。この講師の方とは長野県の山でお会いしたが、そのときはロングのズボンを穿いておられた。

余談だが、同行者からメールがあった。「満身創痍で、腕、脛、肩他、あらゆるところに打ち身、捻挫、切り傷、擦過傷等々。身体のあらゆるところに、かってない大きなダメージを受けました」(原文のまま)と・・・、キズだらけは、私だけかと思っていたので、安心?



尾根 岩場 ヤブ
明確な尾根道 苔むした岩場 岩場を出るとヤブ
林道 立て札 ヤブ
わずかに雪が残っている林道 ここから頂上直下のヤブに入る 初めのうちは こんなヤブ・・・


前の方が明るくなってきたので、やっとヤブから脱出できそうだと力を振り絞って進む。どこをどうやって進んだのかは分からないが、広いところに出た。地図を見ると頂上尾根の北の端に着いたようだ。尾根と言うより広場と言う感じだ。ここから頂上まで南東へ進む。花房山が右前に威容を誇る姿をみせている。道らしい道ではないが、見通しがいいので安心して進む。一度、右下に進んだら荒れた道になり、南へ下りかけたので、あわてて進路を東端に修正した。先行していた同行者が手を振っているので、頂上の場所を知る。北の端から10分以上は歩いている。頂上は山名板と三角点があるだけで、周辺との高低差も感じられないので、三角点がなかったら通過点のよう。腰を下ろせる場所が一人分しかない。誰も来ないようなので、私は道の真ん中に腰を下ろし、しばしの昼宴を楽しむ。

なお、下山するとき下山口が分からず、西北尾根に入り込んでしまった。往路にヤブの中で道を見失い、正しい道を歩いていないので、正確な下山口の場所が分からない。どこから下りたらいいものか?。頂上からの道を下り、東北尾根に行きたいのに、なぜか西北尾根に進んでしまう。元に戻ってやり直しても、不思議なことに西北尾根に入ってしまう。やっと見つけた東北尾根の下山口には、ピンクのリボンが付いていた・・・。



能郷白山 冠山 花房山
能郷白山 冠 山 花房山
頂上の北の端 頂上 屏風山
頂上尾根(広場)の北の端 頂 上 屏風山
西尾根 堰堤の階段 堰堤の鉄管
西北尾根に向かう道 帰路、堰堤の階段を下る 往路、この鉄管まで行ったら少し戻る


GWの真ん中と言うのに、この日は誰とも会わなかった。駐車地に軽4WDが一台置いてあったので、誰か入っていると思ったが登山者ではなかったようだ。この山に入る人は、時期を考えないと悲惨な目に会うので、ご注意を。また、頂上尾根の北の端にある東北尾根への下山口を見失うと、西北尾根のほうが良い道なので行ってしまう(コース地図ご参照)。この尾根は、地図で見ると藤橋村まで繋がっているように見えるが距離は長い。目的があって行く人以外は、決して入らないように!



コース地図へ

このコース地図は国土地理院の電子国土Webにより作成したもので、コースの赤線はイメージです。


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◎お願い
山の状況は絶えず変化します。登山道の崩落、がけ崩れ、橋の流失などによる通行止めは、集中豪雨や台風が来るたびに起こります。また新道ができたり、廃道になったり、時には登山道の付け替えなどもあります。登られる方は最新の情報を入手してください。
また、この日記は、登った日、当時の個人的な記録です。ヤマケイのガイドブックのように、必要な情報を網羅してはおりません。リスクは自己責任でお願いします。