データ Data

登山日 : 平成22年11月7日
(上のPHOTOは、左:権現の「ブナ爺」、右:頂上から花房山)
山 名 : 小津権現山(藤波谷経由)
読 み : おづごんげんやま(ふじなみだに)
標 高 :1,157.8m
地形図 : 美濃広瀬、樽見

アクセス Access

・国道303号線の横山ダムを北上、国道417号線に入ると赤色に塗られた新川尻橋がある。この橋の手前300メートル程の大きく左カーブするところを右折する。

・未舗装の斜面を登ると、すぐ「南矢中谷県有林/岐阜県」の立派な木製の看板がある。ここに車が数台置ける空き地がある。

←日本山岳会岐阜支部さんのHPより

●現在地とあるのは、国道417号線から登山口に入るところ、この絵地図では道路が直線だが、実際は大きなカーブになっている。また、左が北になっている。地図は、このページの下にコース地図からどうぞ。

コース / Course

藤波谷登山口---(60)---林道---(15)---権現の森林---(55)---頂上---(35)---権現の森林---(10)---林道---(50)---藤波谷登山口

端数は5分、10分単位で切り上げ、休憩時間は含んでいない。

記録 / Report

1年ぶりの小津権現山。今回は小津権現山〜花房山縦走のネット検索をしていて、小津権現山の藤波谷ルートを見つけた。このルートは、平成19年8月、昔の炭焼き道や獣道を日本山岳会岐阜支部と大垣山協の有志によって整備された、と同山岳会さんのHPに掲載されていた。

車を置き、目の前の堰堤を右から乗り越える。登山道は、堰堤を越えたら沢を左に渡るのだが、道なりに直進してしまった。すぐ行き止まりだった。戻って対岸を見ると、ピンクリボンが二つもあった。登山道は、いきなり虎ロープの張られたジグザグ急登になる。巡視路でよく見かける黒ゴムの土留もしてあった。

5分ほどすると尾根道となる。地図を見ると、このコースは尾根を直登するようだ。植林と雑木の道は、今にも降り出しそうな天気のせいもあって、陽が射さないので日の出から1時間も過ぎているのに薄暗い。藤波谷からは、ゴウゴウと響きわたる水音が絶えず聞こえる。


この奥に駐車できる この堰堤を右から越える 山頂まで3.5キロの表示
堰堤を越えて、すぐ谷を渡ると登山道 九十九折れの急登 深い藤波谷


尾根の直登が九十九折れの道となって尾根芯を外れた。よく見ると急なところは尾根を避けて道が造られている。大岩が目の前に現れる(下の写真は復路に撮影した。往路は朝モヤで視界が悪く、写真に写らなかった)。緩やかな尾根道となる。

歩きはじめて1時間になろうとしている。休憩できる場所はないかと思っていたら木の階段となった。結構、急登だ。登り切ったところに白いガードレールが現れるが、切込みがないので、またいで乗り越えると林道に出た。矢中谷からの揖北林道だが、ずいぶん荒れている。少し歩くと広場になっており、登山口の表示がある。振り向くと下界は、すっかり雲に覆われ、西向かいにある天狗山の稜線に沿って雲が滝のように落ちている様子が見える。いつの間にか、雲の上に出ていたのだ。


大岩が現れる 林道手前の木の階段 目の前にガードレールが
ガードレールをまたいで林道に出た 林道広場 再び登山道へ


林道から再び登山道へ。入口には、頂上まで1,856メートルの表示。藤波谷の登山口には頂上まで3.5キロとあったので、まだ半分も来ていない。しばらく登ると大きなブナの木が現れる。木には「権現のブナ爺」の表示。この森の主のような存在感を示している。周りには丸太を輪切りしたイスも置かれ、休憩所になっている。しかし、休憩するなら、もう少し歩けば権現の森林(もり)という絶好の場所がある。

 「私たち県民の森林づくり」と書かれた緑色のノボリが目立ち、木に付けられたラミネート加工のスッテカーが次々に現れると、まもなく権現の森林に到着する。標高850メートルのなだらかに広がった尾根を切り開いた植林地帯である。この植林事業は、日本山岳会岐阜支部さんがボランティアで実施しているもので、「自然の生態系に則して持続的な森林作りを目指して、荒廃した森林の再生のために植樹を行う。また森林のはたらきについての環境教育を実施する」ことを目的としている(日本山岳会岐阜支部のHPより)。この日も男女4人の方が活動しておられた。

樹名表示のあった成木の一部:ミズナラ、コシアブラ、コハウチワカエデ、アカシデ、ウワミズザクラ、ナツツバキ、ユズリハ、リョウブ、このほか植林された苗木は多数。

 ここは山の中のオアシスのようなところで、往路も景色を眺めたり写真を撮ったりして、のんびりと歩いた。最近「まったり」という言葉をよく耳にするが、まさに「まったり」できる場所である。復路に、ここで食事をした。いつもランチタイムは1時間と決めているが、今回は食後に温かい紅茶を飲みながらゆっくり過ごし、15分ほどオーバーした。

 〈ご参考〉
まったり;1.味わいがおだやかで、こくのあるさま「―(と)した味」。2.ゆったりとしているさま。のんびりと落ち着いた気分であるさま。(大辞林より)


権 現 の 森 林 (もり)

山頂まで1.3キロの表示 ヌタ場、ヒキガエルの産卵場 熊の皮はぎ跡


ヌタ場を過ぎると、再び尾根道となる。イワウチワやシャクナゲの群生地もある。そして尾根道から外れて、左山でトラバースする。まるで迂回路のようだ。これが結構、歩きづらい道で、狭い上に起伏が多い。半周して再び尾根道に戻る。丸太を切って削ったベンチが置かれているが、同行者は、私が写真を撮っている間に先に行ってしまった。一人で休憩するには寂しいところなので通過する。

ここから頂上近くまでは、固定ロープのある急登が続く。一部、木を組んだ階段があるが、もう崩れてしまっているところもあり、よく滑る。ロープにもノットのないところがあり、手が滑ると擦過傷になりそうなので、なんとか掴まずに登りきったが、下るときには、お世話になった。そうしないと滑り落ちてしまいそうなほど急坂だった。

ロープ場が終わると、頂上まではネマガリタケの広い道を進む。今までの急登がウソのように平坦なので、つい足が早まる。頂上には白山神社の祠の裏に出る。雲が広がっているので遠望はきかないが、北東に花房山が美しい姿を見せていた。この山は今回で3回目だが、前の2回は、いずれも頂上は人であふれていた。今日は到着したとき、誰もいなかった。頂上近くを登っているとき、人の話し声が聞こえていたので、小津集落からの登山者があるのだろうと思っていたら、男女2名が登ってきた。

〈ご参考〉
平成22年5月、小津権現山と花房山を結ぶ縦走路が、地元の小津権現山登山道を守る会によって整備された。この活動は平成20年4月から取り組んできたもので、登山道は全長6キロ。〈岐阜新聞ニュースより〉


頂上への急登手前にあるベンチ 頂上の白山神社

高屋山経由ルートの記録はこちらから→ 

コース地図へ

この地図は国土地理院の電子国土Webにより作成したものです。コース地図の赤線はイメージです。


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◎お願い
山の状況は絶えず変化します。登山道の崩落、がけ崩れ、橋の流失などによる通行止めは、集中豪雨や台風が来るたびに起こります。また新道ができたり、廃道になったり、時には登山道の付け替えなどもあります。登られる方は最新の情報を入手してください。
また、この日記は、平成22年11月、当時の個人的な記録です。ヤマケイのガイドブックのように、必要な情報を網羅してはおりません。リスクは自己責任でお願いします。