☆データ/Data

登山日 : 平成25年12月20日(上のPHOTOは、勝山公民館前から右が安和岳、左が三角山)
山 名 : 安和岳/三角山
読 み : あわだけ/さんかくやま
標 高 : 432m/272m
地形図 : 名護

☆登山口へのアクセス/Access

1.沖縄自動車道、許田ICを出て国道58号線を名護市方向へ。
2.名護市内を通過し「宮里3」の信号は道なりに進むと右カーブだが、左の車線から直進し国道449号線に入る。
3.屋部郵便局を右に見て500メートルほど進むと旭川入口のバス停がある。
4.バス停を過ぎると右側に嘉津宇岳入口の大きな標識があるので右折する(信号はない)。すぐ手前の信号ある交差点を右折しないこと。
5.あとは道なりにゴルフ練習場の前を通り、勝山農村交流センターを左に見て勝山公民館奥の駐車場へ。
6.勝山つたえ隊事務所の右の道(舗装路)を行くと登山口に出る。

☆コース時間 / Course Time

勝山公民館駐車場---(10)---登山口---(10)---古巣岳との分岐---(30)---嘉津宇岳との分岐---(30)---安和岳頂上---(70)---古巣岳との分岐---(15)---駐車場

端数は5分単位で切り上げ。休憩時間は含まない。

☆記録 / Report

40年来の友が来沖し、安和岳を目指した。勝山公民館の職員の方に駐車のお願いをし、お見送りを受けて出発。見上げると正面右手に古巣岳、左手に三角形をした、その形通りの三角山。二つの山の真ん中に安和岳が望まれる。さらにその奥には、アンテナ鉄塔が並ぶ八重岳と続く。少し道路を戻ると左に下る舗装路がある。ヤギの鳴き声を聞きながら、およそ10分で、安和岳、古巣岳と書かれた道標の立つ登山道入口に出る。

登山道は、シークヮーサー畑の中を行く。道端の木は収穫が終わっており、道から離れた木には、鈴なりになっている。畑が終わると水のない沢登りとなり、大小の岩の間を渡り歩く。この日は涸れ沢だが、地形は谷間の沢筋なので、雨が降ると川になりそうだ。この道は嘉津宇岳と安和岳との稜線通しの道にぶつかるまで続く。ヤマケイの「沖縄県の山」には、分岐に道標があると書かれているが現在はない。赤ペンキの矢印の付いた岩があるだけ。ここは左へ。稜線通しの分岐なので峠なのかと思っていたが、展望もなく亜熱帯樹林の中の単なる分岐点というだけだった。

三角山、安和岳 道標 登山口
左、三角山。右、安和岳 登山道入口の道標 ここが登山口
シークワーサー畑 沢登の道 安和、古巣分岐
シークヮーサー畑を行く 涸れた沢の遡行 古巣岳との分岐
ピンクテープ 岩場 尾根分岐は近い
至るところにピンクリボンと赤テープ 沢筋の岩場(M氏撮影) こんな道になると分岐は近い

ここからは、樹林帯の中の急登になる。踏み跡はしっかりしており、ピンクリボンが多いので道迷いの心配はない。いくつも岩場を越えると急登の道がトラバース気味の道に変わるが、なかなか頂上が現れない。分岐から30分かかって安和岳頂上に着く。頂上を示す山名板は飛んでいってしまったらしく、金属のポールが1本立っているだけで、淋しい頂上である。腰を下ろすが尖った岩ばかりなのでマットを取り出す。ノンアルコールビールで乾杯をするが、シャツが汗濡れしているので、オーバーウェアがないと寒い。同行者は、最低気温が氷点下になる地から来ているのに「沖縄がこんなに寒いとは思わなかった」と言う。この日は、那覇市の最高気温は16℃だったのだが…。


  
嘉津宇分岐 急登 岩場
この岩が安和岳への分岐の目印 安和岳頂上への急登となる 岩場を乗り越える
岩場歩き 安和岳頂上 頂上からの展望
歩きづらい岩場が続く 頂  上 尖った山が見える、登ってみたい

続いて三角山を目指す。安和岳から三角山は見えていたので、展望の良い稜線歩きを期待していたのだが、ほとんど樹林帯だった。下草が道を隠しているところもあり、針のように尖った岩が草に隠れているため、膝をぶつけたり、向こう脛を打ち付けたりした。ホテルに入って着替えるとき見たら膝から下はキズだらけだった。いくつかのピークのアップダウンを繰り返す。両手を使って慎重に登る。加齢とともに平衡感覚が失われているようで、手も使わないと岩場を乗り越えられない。最初のピークでは、ピークの向こうに道が見えない。越えると岩場下りなので、ストックが邪魔だった。この山は沢登りのところでも岩ばかりで、ストックを下ろしてもスパイク部の先端が滑ってしまう。またカルスト地形の岩場ではストックを下ろすところがなく、持っていても役に立たなかった。ただし、手袋は必需品。尖った岩は、まるでナタの刃ようだ。

三角山からは急斜面を下る。途中、幸地里之子の隠れ跡だった洞窟が、登山道から少し離れたところにあるので立ち寄る。幸地里之子とは、「こうちさとぅぬし」と読み、琉球王朝時代の山賊だったとか(詳しくは後述)。さらに下ると旧日本軍陣地跡を左に見て、古巣岳との分岐に戻る。再び、シークヮーサー畑の中を抜け、勝山公民館に戻り、無事下山のあいさつをして車に戻った。

 
尾根道 三角山 岩場を下る
下草で登山道が見えない 三角山が近づく 岩場を乗り越える
ピーク 岩場を下る 振り返ると安和岳
三角山を越える 振り返って三角山 三角山の右に安和岳が見える
急斜面 幸地里之子隠れ跡 旧日本軍陣地
三角山から急降下 幸地里之子の隠れ跡 旧日本軍跡地

《ご参考》幸地里之子の伝説---安和部落の西に安和岳という山がある。昔、この山に「安和岳の山賊」とよばれる"幸地里之子"という悪者が、首里の都を追われてここに棲んでいた。ときどき里へ出て来ては、村の美娘を次々とさらって山奥へ連れ去った。村人達は大層恐れおののき、子供の出産が迫ると「どうぞ美人が生れないようにお願いします」と、神様にお祈りしたといわれている。そのせいか、それ以後、この部落の女子は目剥(みーはぜー:醜女)ばかりが生れてくるようになった。大層珍しい伝説であり、世の親の複雑な心情が、悲しいまでにうかがわれる話ではありませんか。(HP「大津賀伝蔵の戦時中の沖縄 4」より)


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この地図は国土地理院の電子国土Webにより作成したもので、コースの赤線はイメージです。

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この日記は、登った日、当時の個人的な記録です。ヤマケイのガイドブックのように、必要な情報を網羅してはおりません。リスクは自己責任でお願いします。