• "<b>明 治 山</b>"
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☆はじめに  /  Prologue

浦添市にあるスポーツショップのツアー案内に「明治山日帰りコース」があった。一度も耳にしたことがない山名だったので、ネットで検索したが、登山では記録が見当たらない。地理院地図にも、その山名では掲載がなかったが、道路地図を見たら、県道71号線沿いに同名のバス停があった(現在は廃止?)ので、その近くを探したら名護市と宜野座村の境界に284.3メートルのピークがあった。おそらく、ここだろうと見当はついたが、登山口の場所も登山道も分からないので、このツアーに申し込みをした。なお、このページの背景は水浅葱(みずあさぎ)の沖縄草木染め。

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☆データ  / Date

登山日 : 平成27年4月5日(上の写真は、明治山全景と登山道)
山 名 : 明治山
読 み : めいじやま
標 高 : 284.3m
地形図 : 名護南部


☆登山口へのアクセス  /  Access

1.沖縄自動車道、許田IC料金ゲートを出る。そのまま直進すると道の駅「許田」に行ってしまうので、途中、「万国津梁館」の道標に従い左折する。国道58号線に出るので右折する。
2.宜野座村への道標のある信号(新許田橋手前)で右折し、県道71号線に入る。
3.平安寺の前を通り、高速道路の下をくぐり、左にゲート(下の写真)を見ると、そのすぐ先、右側に路肩が広くなっているところがある。そこが登山口。表示は何もない。
4.ここは道路と路肩の間に段差があるので乗用車だと乗り越えられない。宜野座村と名護市の境界を示す道標を過ぎた右側に空き地(下の写真)がある。私の土地ではないので、そこに車を置いてもいいとは申し上げられない。置く場合は自己責任で…。私たちはツアーバスで登山口まで送ってもらったので、実際に歩いていないため目分量だが、ここから登山口までは10分くらいか?。


☆コース  /  Course time

登山口---(50)---頂上---(40)---登山口

端数は5分単位で切り上げ。頂上での滞在時間は含まないが、休憩時間は含む。ツアー登山なので渋滞して立ち止まることが多いが、普通に歩けば頂上まで3~40分ほどか。

☆記 録 / Report

このツアーの主催者・ネオスさんのスタッフが下見で来て登山口を探したが、道標などは全くないので探すのに苦労をされたそうだ。個人で来ても、知っている人と同行しないと見つけるのは難しいかも。また、我々は貸切バスで来たので、登山口の前で下ろしてもらったが、マイカーで来ると駐車場所を探すのにも苦労するだろう。そういうマイナーな山である。明治山のいわれは、私がNET検索しても分からなかったが、今回のツアーに参加された神田香代子さんが、名護市のHPに「明治山にクスノキ存す」という文章が紹介されているとの情報を知らせていただいた。

◎名護市のHPより
「明治山は、明治天皇を記念して呼ばれています。大正2年度から大正9年度まで、「明治慈恵資金管理規則」によって造林事業が行われました。造林事業事務所などを建設したり、森林遵守を駐在させて取り締まっていましたので、当時としては大きな事業であったのでしょう。天然林を扱う施業は、伐木のひこばえを育てていく萌芽更新、人工造林は山地に種子をまいて木を育てていく人工下種更新、苗を植えて育てていく植栽造林を行っています。
 長堂橋から眺めると、天然のイタジイの他に、葉の色の異なる木を見ることができるでしょう。その色は、春の芽吹きの時に一層はっきりします。峰の天然林は防風保湿帯として制限し、人工林は谷間にクスノキ、その上部斜面にリュウキュウマツ、一部にスギ、イジュ、ソウシジュ、モクマオウを造林したとされます。クスノキは植栽、マツは人工下種である。葉の色の違いはこれによるもので、後から自然に入ってきたものが色を添えています。クスノキは今から250年以上も前に我が県に入り、山原の奥山でも時々見ることがあります。クスノキは家屋の梁材などによいので、昔から重要な造林木として植栽されてきました(2013年12月2日)。」

登山道に入ると、いきなり急登が始まる。潅木や琉球竹の登山道は、途中、頂上手前の小ピークと途中1ヶ所だけ開けたところ以外、展望はない。この日は、曇天だったので頂上も見ることが出来なかった。同じような景色の道をアップダウンすると山頂に到達する。途中に分岐もない一本道なので、迷うようなところはないだろう。頂上には三角点も山名板も見当たらないが、沖縄の山の頂上としては広い。今回はスタッフを含め27名だが、全員、座って食事をすることができた。

《ご注意》この山の南から西にかけての一帯は、県内最大規模の米軍による実弾射撃演習が実施されており、過去には流れ弾などによる被弾事故も起きている。金武町と恩納村を結ぶ県道104号線をはさんで実弾射撃が行われていたことでも知られている。また、平成25年8月には、すぐ近くの山中でキャンプハンセンのヘリの墜落事故もあった。
なお、この山のことを『古知屋岳』と呼んでいるという人がいたので調べてみたら、宜野座村の地域防災計画に「市境界の”古知屋岳”284メートル---」の表記があった。宜野座村と名護市や恩納村との境界にあるのは、ほかには、ガラマン岳253メートルと漢那岳238メートルしか見当たらない。高さも一致している。



名護市から宜野座村に入った右側に空き地がある 左にこのゲートが見えたら、そのすぐ右側に登山口がある
ここが登山口。表示は何もない こんな道で始まる
ずっと、こんな道が続く 途中の小ピーク、この日は曇天で展望なし。写真は帰路、撮影
頂上直下の道。倒木の向こうが頂上 到着直後の頂上(ツアー登山のため、参加者の方にHP掲載の許可を得ていないので、顔にはボカシを入れさせていただいた)


《追記》
このページをご覧になって出かけられた方から、どこが頂上なのか分からなかったというご意見をいただいた。確かに頂上を示す表示もなく、上の写真:右のように頂上は、平らになった広場があるだけなので、私もネオスのスタッフから「頂上到着です」と言われなければ、もっと先に進んだかもしれない。ただし、この先の宜野座村側は前述のとおり米軍の演習地があり、演習日は極めて危険なのでご留意されたい。下のコース地図は、地理院地図なので等高線も入っている。地図を読んでピークを超えて下ってしまったら戻るように。


コース地図へ

コース地図は国土地理院の電子国土Webにより作成したもので、コースの赤線はイメージです。



=明治山で出会った虫=


ツアーに参加された神田さん撮影。右は「オキナワルリチラシ」と言うそうです。


明治山を下山後、名護市数久田にある「轟(とどろき)の滝」に向かった。滝の子幼稚園の前でバスを下り、歩くこと15分。久志岳と辺野古岳の間を流れる川を水源とする高さ約28mの滝が見えるはずだった。主催者のスタッフから、「いつもは”とどろき”ですが、このところ雨が少ないので、今日は”おどろき”の滝です(笑)」と教えてくれたとおり、下の写真(左)のような、まるでソーメンのような細い滝だった。上の写真を撮影した神田さんから、昨年10月にここを訪れたときに撮影した「いつもの轟の滝」の写真を送っていただいたので、ご紹介する(下の写真:右)。感謝。




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この日記は、登った日、当時の個人的な記録です。リスクは自己責任でお願いします。