岐阜・三重・滋賀県を中心とした山歩記

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データ / Data

  

登山日 : 平成24年4月8日

山 名 : 鍋倉山(上のPHOTOは頂上〜避難小屋の稜線から。左、能郷白山、手前に小津三山、遠くに白山)

読 み : なべくらやま

標 高 : 1,049.9m

地形図 : 美束、横山

避難小屋

登山口へのアクセス / Access

(岐阜方面から)
1.国道303号線を揖斐川町へ。
2.東津汲の信号を左折し、突き当りを右折する。
3.道なりに揖斐高原スキー場方面へ。
4.左に注意し、和佐谷を左折する。角に東海自然歩道・和佐谷の小さな道標がある。白龍の湯まで行ってしまったら行き過ぎなので引き返す。
5.作業小屋のような建物があり、道が三本に別れている。手前の道幅の広いところに駐車する。

コース時間 / Course time

和佐谷登山口---(50)---長者平分岐---(30)---日坂峠---(55)---鍋倉山---(10)---避難小屋---(65)---日坂峠---(30)---長者平分岐---(45)---和佐谷登山口

端数は5分、10分単位で切り上げ、休憩時間は含んでいない。なお、この所要時間は、ほぼ全コース、雪の道を歩いているので、グリーンシーズンには あまり参考にならないかもしれない。往路は登山靴のみ、帰路は、登山口までアイゼン着用。

山行記 / Report

ちょうど3ヶ月前の1月8日、頂上で新年会をするため、長者平から鍋倉山を計画した。しかし、旧春日村市瀬の手前で積雪により通行止めだったので引き返し、六合から谷山経由に変更した。ところが六合の道も倒木により通行止めだった。谷山集落まで1時間半近くかかったので大幅に時間をロスし、頂上まで4.5キロ地点で時間切れとなり引き返した。今回は、そのリトライのため、ふたたび長者平から頂上を目指した。ところが、今回も日坂から長者平への広域林道は、除雪がしてなかったので通行止めだった。止む無く長者平の登山道に合流するまで1時間くらい余計にかかるが、和佐谷の登山口から歩くことにした。

和佐谷の道は、作業小屋の手前まで車で入れる。東海自然歩道の標識があり道が3本に別れているが、真ん中の道を行く。雪に埋もれた道標が現れるが、倒れた木に押しつぶされ傾いている。雪の上にスギの枯葉が散らかった幅広の道を行く。2メートル足らずの川を靴底を濡らして渡る。左に和佐谷を見ながら進み、倒木を乗り越え橋を渡る。橋の上の積雪は70センチ。朝早いので雪は、よく締まっている。この後は、左山の道を高度を上げてゆく。

登山道を歩きはじめたときには一人分の女性か子供の足跡があったが、いつの間にか消え、5日ほど前の爆弾低気圧で降った新雪の上を歩く。右に長者平からの登山道と出合う。広域林道が通行止めでなければ、我々もこの道を来るはずだった。ここから日坂峠まではアップダウンを繰り返す。数えてはなかったが、最低4つはあったと思う。その途中、登るときにはスンナリ通ったが、帰路、迷うところがあった。それは、道は右折しなければならないのだが、右折には倒木が道を隠しており、直進にも道があるので、まっすぐ行きかけたのである。自分達の往路の足跡が消えていたので、同行者が すぐ気が付いた。



登山口 道標 登山道
三分岐の真ん中の道を行く 登山口の道標 こんな道で始まる
< 和佐谷 橋を渡る
幅2メートル足らずの沢渡り  和佐谷を左に見ながら進む  積雪70センチの橋を渡る
新雪の道 分岐 日坂峠
新雪の道を行く 長者平分岐 標識はないが日坂峠


日坂峠の道標は、柱だけ残っている。案内標識が落ちてしまったのだろうが、長者平からの道と合流する。なお、地形図には十字路になっているような破線があるが、前谷に通じる道は見当たらなかった。ここからしばらくは、広い道をひたすら登る。日坂峠からしばらく、他のグループの足跡があった。おそらく長者平から来たのだろうが、10分も歩かないうちに消えた。ここまで来て帰ってしまったのだろうか。まだ新しい足跡だった。

なだらかな道が、途中から九十九折れになり、勾配を増してゆく。 それまで木々の間から見えていた貝月山が障害物なしで見えるところに出た。長者平の解説板もある。峠から頂上までの距離的には中間地点。勝手に展望台と名付けた。なお、貝月山は、1,234メートルの山。覚えやすい高さである。

展望台を過ぎると、九十九折れの道から尾根道となる。雪の解けている路肩を見ると1メートル以上積もっている。積もった順にサンドウィッチのような層になっているのがよく分かる。だんだん雪が深くなり、吹き溜まりに突入すると、ますます歩きにくくなる。表面の雪は重く、柔らかめのシャーベットのようだが、その下は氷のように硬く締まっている。道の端を歩くとスリップして谷に落ちてしまう危険があるので、どうしても山側の雪の多いところを歩かざるを得ない。距離にすれば僅かなものだが、これが、また長く長く感じた。もっと早くアイゼンを付けておればよかったのだが、ザックから出すのが面倒で、ついつい手抜きをしてしまった。気が付いたときには、装着できそうな場所がない。



雪道 貝月山 尾根道
九十九折れの道が続く 貝月山の展望 尾根道に入ると頂上は近い
ふきだまり 頂上 道標
吹き溜まりではヒザまで埋まる 1月のリトライを果たした  頂上の道標


頂上直下までは雪がいくら積もっていても、道は、はっきりしていたが、ついに分からなくなくなった。道は完全に雪に埋もれてしまった。あとで地図を見たら、一旦、頂上直下を通り過ぎて戻ってくるような道だったのだが、そのときは気が付かず直登してしまった。雪はアイスバーン状態だったので靴がすべり、なかなか登れない。つま先を、いくら蹴り込んでも空回りするばかりで滑り落ちる。木の幹を掴んで体を引き上げ、サイドキックしながら先行者の靴跡を頼りにずり上がった。出たところは頂上まで十数メートル手前のところだった。

頂上は木に山名板が下がっているだけで、表示がなければ通過点のよう。ともあれ、途中で引き返した1月のリベンジは果たせた。これで心置きなく春を迎えることができる。頂上ではリトライ達成の証拠写真の撮影だけして、すぐ避難小屋に向かった。この頂上から避難小屋への稜線は、今日のコース一番の見どころ。青い空に笠ヶ岳から槍、穂高、乗鞍、御岳までの展望が広がる。穂高〜御岳は肉眼でははっきり見えたが、私のデジカメには、うっすらとしか写らなかった。

避難小屋は雪に埋もれていたが、テーブルと椅子が1セットだけ出ていたので、小屋の中ではなく、外で休憩した。雪に埋もれた周りの状況を見ていると自然に1セットだけ出現したとは思えないので、誰かが掘り出したのだろう。3ヶ月遅れの新年会は盛り上がり、1時間半に及んだ。



尾根道 避難小屋への尾根道 こしかけの木
避難小屋へ続く稜線 気持ち良く歩いた 腰掛けになる?
踏み跡のない尾根道 避難小屋 きれいな室内
足跡のない稜線を行く 避難小屋  ピカピカの室内 
青空1 青空2 薬師まで見える
空の色が ひときわ・・・ 白 山


なお、登山口から長者平分岐の間にあった道標には、頂上まで2キロの表示があった。エッツ、そんなに近いの?と思ったが、そこから30分くらい歩いたところの日坂峠の手前のピークにあった道標には、頂上まで2.5キロとあった。おそらくあとの表示が正解だと思う。下山後、近くの白龍の湯で汗を流した。露天風呂がひとつしかない小さな温泉だが、一人400円。入ったときには、結構人がいたが、帰るときは閑散としていた。


コース地図へ

このコース地図は国土地理院の電子国土Webにより作成したもので、コースの赤線はイメージです。

 


尾根道
避難小屋から頂上に戻る稜線から 正面が鍋倉山

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◎お願い
山の状況は絶えず変化します。登山道の崩落、がけ崩れ、橋の流失などによる通行止めは、集中豪雨や台風が来るたびに起こります。また新道ができたり、廃道になったり、時には登山道の付け替えなどもあります。登られる方は最新の情報を入手してください。
また、この日記は、登った日、当時の個人的な記録です。ヤマケイのガイドブックのように、必要な情報を網羅してはおりません。リスクは自己責任でお願いします。