データ / Data

登山日 : 平成21年9月26日(上の写真は、西峰から東峰に向かう尾根道。奥の山が東峰)
山 名 : 横山岳
読 み : よこやまだけ
標 高 : 1,132m
地形図 : 近江川合、美濃川上

アクセス / Access

(岐阜方面から)
1.国道303号線を揖斐川町へ。
2.右手に道の駅「ふじはし」が見え、道は大きく右にカーブする。交番と郵便局の前を通り過ぎる。
3.標識に注意。国道303号線を木之本町方向へ行く。横山ダムを左折。信号がないので通り過ぎないように。
4.しばらくは狭い道が続くので、対向車に注意。道の駅「夜叉が池の里・さかうち」の前を過ぎ、夜叉が池、三周ヶ岳への道を右に見る。八草トンネルで岐阜県から滋賀県に入る。
5.杉野小学校前の信号を右折し、集落に入る。途中の橋を渡った広いところを鋭角に右折するのだが、北から入ると標識が見えない。
  (通り過ぎても、そのまま進めば国道に出るので、Uターンして戻る。国道に出た正面は杉野農協。南から入れば標識は目に付く)
6.舗装道路をそのまま進めば、大きな案内図のある白谷登山口駐車場に着く。

コース / Course

駐車場---(10)---登山道入口---(20)---林道出合---(15)---太鼓橋登山口---(5)---経の滝---(30)---五銚子の滝---(55)---頂上(西峰)---(20)---東峰---(70)---東尾根登山口---(5)---林道出合---(25)---駐車場


端数は5分、10分単位で切り上げ、休憩時間は含んでいない。

記録 / Report

瑞穂市から本巣郡北方町を経由して国道303号線に入り、滋賀県八草トンネルに向かう途中、道路に温度表示計が5ヶ所設置されている。この日、朝7時頃、22度だった表示が北に行くほど1度ずつ下がっていって、8時頃通過した4ヶ所目の旧坂内村の表示計は19度だった。そして5ヶ所目の八草トンネル入口は13度を示していた。瑞穂市と比べると9度も低い。

8時30分、横山岳の駐車場に到着。男性が一人、身支度をしていた。挨拶をすると地元の方で「これからコエチ谷の草刈りに行くところだ」と言う。「どのコースで登るんだね?」と尋ねられたので、「白谷本流ルートで西峰に登って、東峰でUターンして、三高尾根を下って鳥越峠から墓谷山に登ってから、再び鳥越峠に戻ってコエチ谷を下る」と言うと、「エエッ?」と聞き直されたので「横山岳と墓谷山の両方登りたい」と答えると「それはキツイな〜。鳥越から墓谷の往復だけでも2時間くらい掛かる。下山は東尾根にしたらどうか。東尾根のブナ林はイイところだよ」とアドバイスをしてくれた。

左は白谷本流へ、右は東尾根へ 直進は通行止め、登山道は右へ

登山道は杉林の中を行く


駐車場のすぐ北側の朝露に濡れた草の道を北に向かって歩きだすと、7分ほどで直進は通行止めの表示がある。地図を見ると旧登山道とある。新登山道は右折する。登山道に取り付くと見上げるばかりの杉林の中だ。登るにつれて沢の音が小さくなり、沢から離れてゆくのが分かる。その代わりに重機の音が聞こえてきた。

折れ曲がった道をジグザグに、どんどん登っていくと大型車が通れるほど広い林道(広域基幹林道)に出た。左折して、しばらく進むと遥か谷を隔てたところで、大型重機が2台で工事をしていた。今、私が歩いている林道の先を延伸している。正面やや左に形のよい墓谷山が見え、右上には、横山岳が姿を見せていた。ゴールがかなり遠いのが実感できる。



林道に出たら左へ 林道からは墓谷山(杉野富士)見える
右上には横山岳の頂上(西峰)が見えてくる 太鼓橋の手前から登っていく


15分の林道歩きは下りで、赤い欄干の太鼓橋に出る。橋の手前を右折すると再び、登山道となる。何の標識もないが、地図で名前を確認すると「経の滝」が現れる。そして沢沿いの道を進み、何度も沢を渡る。どこが道だか分からないときは、沢の中を歩く。

私は不得手な道はいろいろあるが、特に沢歩きが苦手である。濡れた岩、苔むした岩は滑りやすい。6年前、蝶ヶ岳からの下山で、浮石でスリップして尾てい骨を強打し、病院へ3ヶ月通った。それ以来、スリップ恐怖症、下山恐怖症になってしまった。おっかなびっくりで岩上り、岩渡りをくり返す。そして下ばかり見て歩いていると、いつの間にか「五銚子の滝」に到達。ここは冷気が立ち込め、涼しさを感じたので小休止し、滝の水で汗を拭いた。ここから先、滝の高巻きにはキケン箇所もあるが、安全ロープも設置してある


経の滝 五銚子の滝
こんなところも越えて行く 一番つらい急登で励まされる


「あと300メートル」の標識に励まされて・・・


沢音が遠くなると広葉樹林に入る。ここからが長い。行けども行けども急登が続く。ロープ場ではストックが邪魔になる。そのうち刈払い機のエンジン音が聞こえてきた。下で会った地元の人が、「今日は草刈りのために白谷ルートを一人登ってるよ」と言っていた。払ったばかりなので、草がストックに絡んでくるうえ、重なった草の上は滑りやすい。しかし、手ぶらでも結構しんどい、こんなところにまで機械を持って登ってくるのだから大変なことだ。まだ若い青年だった。丁度、エンジンを止めたところだったので、声をかけたが、これから頂上まで行って、東尾根経由で下りると言う。本当にご苦労さん。こういう皆さんの努力で登山道が整備されている。

木々の間から三高尾根方面の稜線が間近に見えていたので、頂上は近いのだろうと思っていたら、「頂上まで あと300メートル、ガンバレ!!」の標識があった。「よし!あと300メートルだ」という人もあるだろうが、私は「まだ300メートルもあるのか!」の方である。その標識があって、すぐにロープの急登がある。ガンバレ標識は、急登を登ったところに設置してくれないかなあ、と思うのは私だけだろうか。

汗は歩きながらでも拭けるが、ストックは歩きながら仕舞えない。邪魔になるので、よほどザックに仕舞おうと思ったが、急登なので立ち止まって、そんなことをする場所もない。ガンバレ標識は、200、100メートルにもあった。あと100メートルの標識を見たら、私もついつい、足が早まった。しかし、このルートを下りに選ばなくて正解だったと思う。


頂上(西峰)、後方の小屋は展望台? その展望台に上がって、東峰方向を撮影

西峰から東峰へは快適な尾根道


急登の続くこのルートで、はじめての平行移動の道となり、熊笹の中を行くと頂上(西峰)広場だった。立ち木に囲われているので、展望は良くない。先客は、単独行の男性とご夫妻の2グループ3名。挨拶をしてプレハブ小屋の屋根に上って周囲を見晴らす。上るにはアルミの梯子があるが、小屋の屋根は木の桟だけなので安定が悪い。

展望台から下りて休憩をしていると、聞くつもりはなくても先客の話が聞こえる。単独行の男性の「岩木山へ行った。穂高も行った」という山自慢が続いていた。「このあとは紅葉を見に涸沢に行く」とも言っていた。土日祝しか出掛けられない私には、うらやまし〜い限りだ。

ご夫妻の男性の方が話しかけてこられた。この男性は、もともとは横山岳の近くのご出身で、今は大垣在住。「これからどちらへ?」と言われたので、「東峰で折り返して墓谷山へ行く予定」と言うと「三高尾根は、急坂なので下りるのが大変ですよ。墓谷山は、下から見るといい山ですが、登ってもたいしたことはありません。東尾根のブナの原生林は素晴らしいですよ」と、駐車場で言われたことと同じことを言われた。そこで、方針変更。墓谷山へ行くのは止めて、東峰から東尾根を下りることに決定!!。


東峰への快適な尾根は秋の風情 尾根から琵琶湖
東峰、展望はいいが狭い 東峰から金糞岳


ブナの原生林の中を行く


東峰への尾根道は秋の風情。展望を楽しんでいるうち、あっという間に東峰に到着。頂上(西峰)に比べると2メートル低いだけだが、展望は遥かにいい。しかし狭い。腰を下ろせる岩には、鳥のフンにハエがたかっており、かなり匂う。

ここでの昼食をあきらめ、鞍部に下りるとブナの幹の途中が水平になっており、丁度、一人分のベンチになっていた。高さはダイニングテーブルのイスと同じくらい。周りはブナの林で、静かにランチタイムを過ごした。このあと、眺望のよい岩場を乗り越え、ブナの林の中の広い道を延々と下った。幹は太くはないが、木々の間に太陽の光が差し込み、別荘を作るならこんなところを選びたい。もうひと月もすれば見事な紅葉も楽しめるだろう。


ブ ナ の 原 生 林


東尾根を下る 東尾根の登山口


そのまま下ると、尾根歩きとなった。名前が東尾根ルートなのだと、このとき初めて実感した。しかし尾根歩きも少しだけで掘割になったりする。途中、思いがけない Y字分岐にさしかかった。標識もない。赤布もない。地図を見てもそんな分岐はない。右か左か迷ったが、違っていたら戻ればイイと思い、右に行った。結果は正解のようだった。

分岐しても、どこかで合流するのかとも思い、下りながら左側を注意していたが、それらしき合流点もなかった。この Y字分岐には、是非、道標が欲しいところだ。登山口には大きな道標があり、ジグザグの狭い道を広域林道に下りると、車が止まっていた。東尾根から登って、同じ道を戻るなら、ここに車を置くことができる。


東尾根の登山口へはここから 鳥越峠経由で登るときはコエチ谷ルートで


夜這橋から夜這いの水が


林道を下っていくと、赤い橋の向こうに「夜這(よばい)いの水」の大きな看板があり、ホースの先から水がほとばしり出ていた。橋の名前も夜這橋。不思議な名前なので、ネットで「いわれ」を調べてみたが見つからなかった。湧き水ではなく流れている水のようだったので、顔は洗ったが飲まなかった。

 夜這橋を渡って、そのまま広域林道を進めば白谷本流ルートの登山口である太鼓橋に通じている。大きなダンプカーが土煙りを上げて太鼓橋に向かって走って行った。そのダンプの来た方向に戻れば、25分の林道歩き(網谷林道)で駐車場に戻ることができた。



コース絵地図へ

この絵地図は白谷登山口駐車場の案内図で、私はルート1を歩いた。
なお、この絵地図の所要時間は、かなり余裕を見ている。


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◎お願い
山の状況は絶えず変化します。登山道の崩落、がけ崩れ、橋の流失などによる通行止めは、集中豪雨や台風が来るたびに起こります。また新道ができたり、廃道になったり、時には登山道の付け替えなどもあります。登られる方は最新の情報を入手してください。
また、この日記は、平成21年9月当時の個人的な記録です。ヤマケイのガイドブックのように、必要な情報を網羅してはおりません。リスクは自己責任でお願いします。