沖縄県の山歩き
ハイホーの山日記


辺野古岳

はじめに / Prologue

大浦湾沿いに東海岸を走っていたとき、まるで双耳峰のように同じような高さの山があった。地図を見たら辺野古岳と久志岳だった。高さの差は3メートル。久志岳の方が、少しだけ高い。昨年2月、久志岳に登ったとき、途中に辺野古岳への分岐があった。辺野古岳にも登ってみようと調べてみたが、ヤマケイの分県登山ガイドには掲載されてない。ネットで調べても詳しい山行記は見当たらなかったので未踏のままだったが、浦添市にあるスポーツショップが、この山のツアー登山を計画されたので参加した。

なお、この山も久志岳と同様、山の東側一体が米軍のキャンプ・シュワブ実弾射撃訓練場になっているため、道があっても東側からは登れない。

データ / Data

登山日 : 平成27年3月15日(上の写真の中央が辺野古岳、左は高く見えるが305メートル峰)
山 名 : 辺野古岳
読 み : へのこだけ
標 高 : 332m
地形図 : 名護南部

登山口へのアクセス / Access

今回は大型バスを利用したので、道の駅「許田」から二つ目の信号(数久田)を右折したが、乗用車の場合は、前年2月と状況が変わっていなければ、久志岳へのアクセスと同様で次のとおり。
1.道の駅「許田」を過ぎたら右の車線に移る。最初の信号を右折。
2.やや鋭角に回り込み、すぐ大きく左にカーブする。
3.道なりに進むと左に離れて建物がある。右に車が数台置ける草地がある。ここに車を止める。
4.この駐車スペースに向かって左に電柱がある。電柱の番号は「千水幹L15/78」とある。

コース / Course time

総員29名というツアー登山のため2班に分かれた。私はB班だったので、A班に追いつかないよう往路は超スローペース。また時間調整の休憩も多かったので、タイムは、ご参考程度に。ただし、下山は数回の休憩のみで普通のペースで下りている。

駐車場---(25)---登山口---(45)---辺野古岳・久志岳分岐---(20)---沢出合---(20)---辺野古岳登山口---(75)---頂上---(50)---沢出合---(25)---辺野古岳・久志岳分岐---(20)---登山口---(15)---駐車場

端数は5分単位で切り上げ。食事時間は除いたが、休憩時間は含んでいる。

記録 / Report

このコースには、全行程で「辺野古岳へ」という道標は2ヶ所しかない。1ヶ所目は、はっきり分岐と分かる場所にあるので容易に見つかるだろう。その分岐から沢に向かって大きく下りるのだが、その沢は、轟(とどろき)川の源流のようだが、国土地理院の地図に出てこない。そして、沢を遡行するのだが、沢の中を歩いたり、沢に沿って岸を歩いたりする。そして、2ヶ所目の辺野古岳への道標を見つけて登り返す。台風でも来ると飛んでいってしまいそうな手作りの道標が木に結んである。もし、道標がなかったり、見落として直進してしまうと、前述のとおり山の東側はアメリカ軍の実弾射撃訓練場なので、危険な目にあうかもしれない。

今回はツアー登山で案内人に付いて行くだけだったので迷うことはなかったが、初めて来た人には分かりにくいだろう。私も沢の位置や沢から頂上への登り口の場所を正確に地図に落とすことが出来ない(地図に道を落としたくとも、地理院地図に遡行した沢が表示されていない)ので、今回の山はコース地図を掲載していない。山道の曲がり具合が多少変わっていても、登るには差し支えないが、登山口の場所を明示してない地図は掲載できないので、ご容赦を。この山に登るときは、道をよく知っている人、あるいは来たことのある人に同行してもらおう。また、この日は日曜日の好天だったが、辺野古岳の登山者は我々以外には居なかった。おそらく、ほとんど人が入らない山だと思うので単独行は危険である。なお、沢歩きは、水量が多いと靴が水没するかもしれない。

以下、コースを写真で紹介するが、ツアー登山のため、途中で立ち止まって写真を撮っていると後続の方に迷惑をかけるので、ポイントのみのご紹介とする。

登山口に「Do not enter」の表示があった。我々は入ってしまったが、家に帰って辞書で調べたらMetam sodiumという薫蒸剤の散布中らしく、薫蒸剤緩衝地帯と表示されていた。害虫の駆除をしているのだろう。また、今回の参加者は初めて合う人ばかりなので、NETへの写真掲載許可をいただいていないため、顔がわかる写真はボカシ処理をさせていただいた。なお、沢を歩いているとき、足場の悪い岸辺に2メートルほどのロープ場があった。それに取り付いて掴んで渡ろうとしたら、後ろから急に引っ張られた。後ろの人が私が渡りきる前にロープを強く掴んだのだ。体重の軽い女性ならバランスを崩して水に落ちただろう。長いロープなら止む終えないだろうが、2メートルほどのロープ場なら前の人が渡りきるまで待つのが常識だと思う。足場が悪いからロープが設置してあることを理解しよう。この人は、行きも帰りも同じことをしたので、人に対する配慮ができないのだろう。

登り終えた感想は、5時間も歩くので沖縄の山としては体力が必要。また、頂上直下は急登で、雨上がりだと、よく滑るだろう。苦労した割には頂上からの展望もなく、「労 多くして実りの少ない山」の典型。下るときも木の枝や幹を掴んで滑り下りたが、倒木が多く、足許にも頭上にも注意が必要。歩く人が少ないので雑草が茂り、下を見ないで歩いているとツルや木の根にも足を取られる。こういう山なので、道があるにもかかわらず、登る人が多くないワケがよく分かった。


登山口 シダや琉球松の道を行く 道がロープで行き止まる。ここを左折する
右は久志岳への道、左が辺野古岳へ 左の写真の分岐にある道標 沢に向かって一気に下る
沢に出合う 足許を確認しながら沢を遡行する 辺野古岳への登り口を見つける
沢の途中にある辺野古岳への道標 頂  上 頂上は眺望もなく、狭い

共通の登山口を持つ久志岳の山行記は⇒こちらから
また、上の「記録/Report」に書いたとおり、この山のコース地図は掲載していない。

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◎お願い
この日記は、登った日、当時の個人的な記録です。必要な情報を網羅してはおりません。リスクは自己責任でお願いします。

《ご注意》
名護市内各地で毒性の強いタイワンハブの目撃例が増加しており、年々、その数を増やしております。捕獲器でのタイワンハブの捕獲数は、平成24年は1年で30匹だったものが、今年(平成29年)10月現在で345匹と過去最多ペースです。辺野古岳の登山口のある数久田集落でも今年になって13匹が捕獲されています。タイワンハブは沖縄諸島のハブ類の中ではもっとも攻撃的で、模様が枯れ葉に似ており見つけにくいので、ご注意ください(琉球新報より)。


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