☆はじめに / Prologue
14年ぶりの蕪山である。前回は奥牧谷コース(旧登山道)を往復した。当時は登山口のすぐ近くまで車が入れたが、現在は株杉登山口と自然観察登山口の間で鉄製のゲートが設けられており、入ることができない。この山は私の持っている山渓のアルペンガイド鈴鹿・美濃には掲載されているが、その後に発行された新版からは割愛されている。ネット検索で私の知らない道ができていることを知って出かけてみた。
☆データ / Data
登山日 : 平成23年5月3日
山 名 : 蕪山
読 み : かぶらやま
標 高 : 1,068.9m
地形図 : 上ヶ瀬(岐阜)
☆コース時間 / Course Time
《往路》駐車場---(5)---株杉の森登山口---(45)---2,515m合流点---(30)---1,320m地点---(15)---鞍部---(15)---頂上
《帰路》頂上---(25)---1,320m地点---(30)---2,515m合流点---(30)---自然観察登山口---(5)---駐車場
端数は5分単位で切り上げ。ツアー登山なので、休憩時間を含む。
☆記録 / Report
21世紀の森公園の広い駐車場に車を止める。舗装路が続いているので、まだ行けそうだが、この先の駐車場には、手前にゲートがあり、鍵がないと入れない。 駐車場の周辺は、ちょうど八重の桜が満開であった。私の住んでいるところとは1ヶ月遅れのようだ。
舗装路を登っていくと右側に立派な株杉・・・だと思ったら、この木は杉ではなくヒノキだった。間もなく現れる「株杉の森」の道標に従い右折する。そこには幻想的な世界が広がっていた。
説明書きによると「株杉は、何度も伐採が繰り返されても枯れ死せず、伐採された一本の株の切り口に新しい杉の芽が成長を続けた結果、一本の幹が地上2~6mの位置で複数に分かれて出来上がったもの。全国的にも、きわめて珍しいと書かれている。
株数:100本以上を確認。その内、直径1m以上の木が30本
幹周り:最大で5m
樹高 :25m
樹齢 :大きなもので400~500年
今年の3月に京都の鷹ケ峰に「台杉」を見に行ったが、スケールの大きさでは、ここの「株杉」には敵わない。この群生林は一見の価値がある。人が杉の木を切って仕立てたのだから人工的なのだろうが、長い年月を経て、自然が作り出したような美しさとなった。
21世紀の森公園の駐車場 | 八重桜が満開 |
これは株杉ではなく 株檜 杉とは葉が違う |
登山道入口の道標 | これが株杉 |
見る人を圧倒する立派な株杉 |
群生林の道は散策路にもなっており、コースロープが張られ、道も入り組んでいるが、蕪山を目指す我々は、上へ上へと進む。
やがて沢を左に見ながらの道が続く。一旦、沢の音が遠くなるが、すぐ沢筋に戻って沢を渡る。もう、30分も歩いただろうか、正面に大きな木が見えるところで直角に左折し、右山の道となる。
左からの道を合わせたところは、山頂まで2,515メートル地点。分岐には蕪山自然観察道の標識が建っている。ガイドブックには株杉コース、野鳥観察コースなどの記載があるが、現地には蕪山自然観察道とか株杉の森という標識しかなかった。
しばらくジグザグに登ると尾根道となる。明るい快適な道を行く。左の木々の間から蕪山が顔を出す。その右にも蕪山の双似峰のようなピークが見える。地図を見ると、このコースは、一旦、このピークを越えてから、頂上に登りかえすようだ。
頂上まで1,320mの道標の下には、丸太のベンチが置かれ、一息つくには絶好地。その周辺はカタクリが咲き、イワウチワも咲いている。最初、イワウチワの名前が思い出せず、下山時に、同行者が行き合せた人に尋ねて思い出した。カタクリやイワウチワの花を見たのは、この周辺だけだった。
右山の道に入る | 分岐の道標 |
分岐から頂上まで2,515メートル | 明るい快適な山道 |
カタクリ | 頂上まで1,320m地点にあるベンチ |
頂上が近づくにつれて、1,000m、500mと標識の数字が小さくなる。気持ちの良い登山道が傾斜を増すと頂上が現れる。広い!。360度の展望。14年前の記録を読むと頂上は6畳くらいとある。周囲の木を相当に切り払ってしまったようだ。着いたときには数えるほどしか人が居なかったが、昼寝から目が醒め、帰るときには数十人に膨れ上がっていた。
薄曇だったので北ア、白山は見えなかったが、南の高賀山方面は肉眼ではシッカリ。御岳がボンヤリ。北方向には滝波山、平家岳から荒島岳まで。荒島岳が、こんなに近くに見えるとは思わなかった。
帰るときに頂上を一周した。一周といえるくらい広い。歩いていたら単独行の男性から「三角点を待ってるの?」と声をかけられた。見ると男女数人のグループの一人が、三角点に腰を下ろして食事をしていた。私は到着したときに撮影したが、声をかけた男性は撮影したかったようだ。「非常識な人もいるねぇ~」グループの誰も注意しないのなら言ってあげた方がよかったかなぁ。他山の石としたい。
帰路は山頂まで2,515m地点を右折。下の地図では、株杉コースと旧登山道の間の道を下った。ガイドブックには野鳥観察コースという記載があったが、杉やヒノキばかりの森なので、野鳥の声を聞くことはなかった。
あと1,000メートル | あと500メートル |
気持ちの良い道が続く | 二等三角点 |
廻りの木が伐採され広くなった頂上 |
コース地図へ |
コース地図は国土地理院の電子国土Webにより作成したもので、コースの赤線はイメージです。
なお、旧板取村が発行していた蕪山の絵地図は ⇒ コチラから。
◎前回の記録(奥牧谷コース)
(H9/11/2)
二十一世紀の森駐車場---(30)---滑滝---(55)---頂上---(50)---駐車場
二十一世紀の森の奥の駐車場をスタート。脇道から本道へ。分かりやすい木立の中を進む。途中、滝に出るが道がない。いつの間にか、道を外したらしい。上を見上げると人が進むのが見える。木の吊橋を脇から再び本道へ。杉の樹林の中に付けられたビニールテープを頼りに、伏流となって、ほとんど水のない沢登りになる。岩から落ちる水滴をコップに集め一口。旨い。
落ち葉の積もった斜面は歩きにくく、踏み後も隠れてしまう。更に道しるべが見つからず、息を切らしてひたすら登る。頂上は6畳もないくらいの狭い処に三角点と頂上表示の看板が立つ。
下りは、走るというより飛ぶ感じで50分でPに到着。その後は、板取温泉につかり、紙ふうせん(喫茶)でじゃがいものカステラ(ドーナツだったかな?)を食す。