レポート
浄水場の手前、左側の駐車場に車を停める。この日は先客は3台。39℃以上という猛暑日のさなかでも、山に登る物好きな人もいる。同行者は4年前の10月に、この山に桧峠登山口から一緒に登った山トモ。
登山口に入ると道は広く、別荘の点在する樹林帯に入る。小鳥のさえずりを聞きながら10分も歩くと正面に送電線の鉄塔が見えてくる。鉄塔の周りは木が払われており、東方向のひるがの高原を俯瞰できる。展望があるのはこの辺りまでで、このあと、頂上直下の展望台に出るまで、しばらくは登山道からの眺望は、ほとんどない。
なだらかな傾斜の尾根の道を行く。今年はクマの目撃情報が例年より多いというニュースを聞いていたので、クマ避けのベルを2個ザックに付けたが、取り付けた場所が悪く、音が鳴らなかったので、よく鳴る場所に移し変えた。
駐車場(フェンスは浄水場) | 登山口 | 鉄塔が現れる |
登山道の左右はクマザサと雑木の林で、スギもあればヒノキもある。谷ウツギもあればツツジ、モミジもある。ミズナラや見事なブナの原生林もあり、紅葉の時期には黄色に色づくだろう。
ガイドブックにある「胸突き八丁」は、標識がなかったので、どこなのか はっきり分からなかったが、「一ぷく平」まで、急登は数箇所あった。駐車場から歩きはじめて1時間。名前が「一ぷく平」というだけあって、絶好の休憩地点である。残念なことは、タバコの吸殻などのゴミが目立つことだった。ほとんどのクライマーは山にゴミを置いていくことなど、決してしないものだが、一部に、こうしたことを平気でする人がいることは残念だ。また、標識が白のアクリルボードに黒ペンキで書かれている。腐らないので長持ちはするだろうが、間伐材を使うとか、もう少し周辺の環境にふさわしいものに変えられないだろうか。
なお、「一ぷく平」の直前の右側に三等三角点があった。あることを知らなかったので、通り過ぎてしまうところだった。
ここを過ぎると、軽いアップダウンを繰り返しながら徐々に登って行く。雑草が登山道を覆い隠しているところあり、木の根の階段あり、直径60センチ以上はある太い倒木あり、背丈より高いクマザサの道あり、岩がゴロゴロの道ありという尾根道を登る。イノシシの地浴び跡も一ヶ所あった。
それまでは樹林帯を歩いていたので、太陽の日差しを防いでくれていたが、「一ぷく平」からは、林が途切れるところもある。まともに陽を浴びることが多くなり、一挙に汗が噴出す。陽のあるところでは、歩くペースがガクンと落ちる。この辺りの登りは感覚的には平行移動に近い感じだったが、帰路、下るときには結構な傾斜であった。
歩きやすいこんな道とか | 歩きにくい木の根の道とか | ブナの林を進む |
胸突き八丁?の急登 | 唐突に現れた標識 | 「一ぷく平」手前のひっそりした三角点 |
タバコは吸わないが 一ぷくした | 太い倒木に階段の切れ込み | 倒木を乗り越える |
展望のない尾根歩きも、いいかげんに飽きてきた頃、360度の展望地に到着する。その名もズバリ「展望台」という。
ここからは、その名にふさわしく、西には三ノ峰、別山、白山が間近に見え、北から東へは、剱岳、黒部五郎、笠、槍、穂高、焼、乗鞍、御岳という大パノラマが広がっていた。
360度見えます | 頂上も見える(右) | 左から三ノ峰、別山、白山 |
右から穂高連峰、槍、笠、双六方面 | 乗鞍岳 | 御岳(雲が噴煙?のように見える) |
「展望台」から頂上までは、一旦下って、登り返す。笹に覆われた狭い掘割を行くと、大日如来像と由来書きの碑、頂上を示す石柱、一等三角点、方位表示などが立ち並ぶ頂上に出る。到着したときは、先客は二人だったが、1時間後に下山するときには、十数人となっていた。ほとんどが桧峠登山口から登ってきた人たちだ。
頂上を示す石柱 | 大日如来さま | 一等三角点 | 頂 上 |
到着したとき、同行者のプロトレックで気温を調べてもらったら25℃だったが、下山時には32℃になっており、暑い!暑い!。そして日差しの強さは、下界と変わらなかった。1週間前の小倉山では23.7℃で、1時間40分も長居したが、今回は1時間で切り上げる。
下山を始めたら、我々が浄水場の駐車場に到着したとき、隣にいた車の中年ペアに出合った。出発する気配がないので、登山じゃないのかナァと思っていた。お二人から質問をされた。「これからリフトでダイナランドスキー場に下りたら、車を止めたところまで、どのくらいで行けますか?」タクシーを呼べば、行けないことはないが・・・。来た道を引き返すことをオススメした。
また、「一ぷく平」を下りかけたところで、男女三人のグループとすれ違った。「エッツ、これから登るの??」と思わず聞いてしまった。時計を見たら13時30分。明るいうちに下りてこられるか心配する。
◎前回の記録(桧峠ルート)
(H18/10/9) 桧峠登山道口---(55)---ウイングヒルズスキー場ゴンドラ駅終点---(60)---鎌ケ峰---(40)---頂上---(35)---鎌ケ峰---(45)---ゴンドラ駅終点---(30)---桧峠---満天の湯 |
コース時分は、手帳に記録が残っていたが、日記のファイルが行方不明になった。検索で調べても見つからない。他の山に登ったときの日記に置き換えてしまったのかもしれない
登山口までゴンドラを使うつもりだったが、動いていなかったため、峠まで戻ったこと。鎌ケ峰から頂上までの往復が爽快だったこと。そして下山後、満天の湯に浸かったことは、よく覚えている。