☆車の運転

一番驚いたのは、赤信号でスピードを落としたら、二輪車(50ccの原付)に右から追い抜かれた。本土では原付は左端を走るが、ここでは四輪と同じ感覚で走っている。信号待ちのときは、車の間をすり抜けて一番前に出る者もいる。片側2車線の道路を走っているときに二輪車の集団に追いつかれたときは、車間距離など、おかまいなしに少しでも先に行こうと、右からも左からも次々に割り込んでくる。まるで無法地帯だ。そのときはブレーキペタルを足を乗せて、いつでも踏めるようにして走った。


以前、沖縄でも黄色の信号で突っ込む車はいたが、今では赤に変わっても突っ込むのが、ごく普通らしい。マナーの悪い輩の習慣が伝染したようだ。沖縄では、黄色の信号は進めで、赤色は、おまわりさんがいなければ、気をつけて進めを意味する。目の前の信号が青に変わっても、左右に注意して発進しよう。


しかし、親切な人も多い。本土では、割り込みなど絶対にさせてやるもんか!という態度ミエミエで運転している人がいると本道が渋滞している脇道からや駐車場から出るときなどでは、なかなか入れてもらえないが、ここでは日常茶飯事で譲ってくれる。これは私も見習っている。沖縄県人は気持ちが大きい人が多いのだろう。しかし、譲られたほうは当たり前のような顔で、あいさつもしない人も多い。何か釈然としないなァ。譲られたら、あいさつをするのが当然と思っている私の心が狭いのだろうか。


沖縄に着いた日は、台風直撃の翌朝だった。太い街路樹が倒れ、那覇市では復旧作業の最中だった。那覇市を離れると、平日の昼だったのに、道路が渋滞している。停電で信号が何ヶ所も止まっているのだ。おまわりさんもいない。交差点では、両方向の道路から車が突っ込むので、皆、徐行する。すると渋滞が、ますますひどくなる。本土ならクラクションを鳴らして強引に走り抜ける車があるだろうが、とくにルールがあるわけではないが、どの交差点も、 譲り合って なんとか流れている。やはり、心が広いのだろう。私も慣れないレンタカーなので、前の車に続いてソッと走り抜けた。


こんな光景も見た。青信号なのに前の車が発進しない。対向する右折車を先に行かせているのだ。エッツ、何で行かないの?と思ったが、その訳は、一車線で右折車があると右折車の後ろの車が進めないので、一部に右折車を優先させる慣習があるのだそうだ。もちろん、すべての人がするのではないので、必ず右折優先ではない。勘違いしないように!。それと、生活道路では右左折時にウインカーを出さない。車線変更でも出さない。一時停止では止まらない。赤信号は無視する。そういう車が驚くほど多い。タクシーも同様だ。私が一時停止で完全に止まったらクラクションを鳴らされた。


バス停から発車するバスにも注意しよう。ウインカーを出して、後続車を確認してから発車してくれれば、危険はないが、ウインカーを出してすぐ発車する横着者が少なくない。こちらもバス停に止まっていれば、注意して追い越すのだが、追い越し最中に、突然、幅寄せされるのでヒヤリとする。バスの運転手は、一般車はバスに進路を譲って当然と思って運転しているので、細心の注意が必要である。バスの運転手は2種免許を持っているからといって、上手な運転をする者ばかりとは限らない。バスを運転するのは初心者かもしれない。


《追記》沖縄県は飲酒運転での事故が、22年連続で全国一だそうだ。さらに付け加えると、平成24年のシートベルト着用率調査(警察とJAF合同調査)では、一般道、高速道とも沖縄県は、全国最下位だった(H24/10調査)。そんなわけで、今年の車当たり自動車事故死亡者数は全国1位。運転免許所有者当たりでは全国4位。自慢できる結果ではない(H24/10/31現在)。


《追記》平成25年上半期の交通事故に占める飲酒がらみの割合が発表された。詳しくはこちらからどうぞ。

《信じられないホントの話》 営業中のタクシーが飲酒運転で検挙された。那覇市内でビールを飲みながらタクシーを運転をしているところを路線バスの運転手が見つけて通報した。警察がこのタクシーを発見。職務質問したところ、車内から飲みかけの缶ビールが見つかり、呼気からもアルコールが検出された。この運転手は「ほかの場所でも飲んできたサ〜」と話したそうで、常習性もあったとか。今回は、たまたま見つかっただけで、ほんの氷山の一角に過ぎないかも。


《追記》 こんな事例を聞いたことがある。ある人がタクシーに追突してしまった。片方のウインカーが割れただけの軽微な事故だったのに、タクシーの運転手は首が痛いと言って3ヶ月も入院してしまった。いつ見舞いに行っても病院に居ない。毎日、パチンコ屋に通っていた。運転手は働くより休業補償の道を選んだのだ。


なお、那覇市の交通渋滞については、こちらからどうぞ。
また、沖縄の舗装道路は滑りやすい。「ウソ」か「ホント」かは、こちらからどうぞ。


《追記》 もうひとつ大事なことをお教えする。沖縄での運転で気をつけるのは、「わ」ナンバーと「Y」ナンバー。「わ」は全国共通、レンタカーだが、沖縄に来る観光客は、島内には鉄道もなく、バスは初めて来る人には分かりにくいので、団体でない限りレンタカーを利用する人が多い。私もはじめはそうだったが、慣れないところで慣れない車を運転するのだから当然のことだが、モタモタする。また、ナビとにらめっこだから前をしっかり見ていない。古いナビだとバイパスや新しい道が出ていないので、分岐の前で強引な割り込みをする。つまり後ろに車がいるか確認もせず、突然、車線変更をする。





「Y」ナンバーは、沖縄では悪名高い駐留米軍関係者。日本では右ハンドルに左側通行、アメリカとは全く逆なので事故も多い。それに加え、彼らと事故をすると、当然のことながら、ややこしくなる。また、人でも車でもYナンバーにぶつけられると一大事になるかもしれない。彼らは基地内に逃げ込めば無罪放免や不起訴になることを知っているので、逃げる者もいる。そうなると保険が使えず泣き寝入り、治療費、修理代などがすべて自腹ということもあるそうなので気をつけたい。米軍関係車のナンバーは、ほかにも「A」や「E」もある。「A」は軽や二輪車。「E」は海外から直接持ち込まれた車。このほか、H、K、Tなどもあるそうだが見たことはない。ところで「Y」は何の略?。「ヤンキー」の略かな。そんなことはないサー(正しくはYokohamaの略。この制度は横浜で始まった)。参考までに言うと、Yナンバーは、沖縄県下に約2万8千台あるそうだ。


《画像の追加》

下の画像を見ていただきたい。中部のうるま市を走行中、信号待ちで止まったら前にGMC/シエラがいた、この車にはナンバープレートが付いてなかった。乗っていたのは2人とも外国人。こういう車も公道を走っている(平成26年1月24日、うるま市田場にて)。こんな車と事故を起こしたら、どうなるのだろう。



《追記》

平成25年11月30日、豊見城市の県道で、Yナンバーが対向車線をはみ出し、会社員男性が乗る軽自動車と衝突した。Yナンバーに乗っていた男は、車を放置して逃走。男性は重傷を負った。Yナンバーの男は、米軍キャンプ・シュワブ所属の海兵隊2等軍曹(29)と判明。警察は、身柄の引渡しと捜査協力を求めたが、過去の事例を見ても、起訴されるまでは、身柄の引渡しをされることはないだろう。米兵は「日米地位協定」に守られているからだ。(翌日の琉球新報より)起訴される前に米国に帰ってしまったらお咎めなしかね?


《追記の続き》

那覇地検は、この軍曹に対し、飲酒運転での起訴を断念した。当初、軍曹は飲酒を認めていなかったが、本年2月になって県警が事故直前に那覇市久茂地の飲食店で飲酒していた事実を突きとめ、本人に突きつけたところ、やっと飲酒を認めた。ところが、地検は不起訴理由を明らかにはしていないが、公判で2等軍曹が供述を翻した場合に立証できないと判断したとみられる、というもの(以上、平成26年4月3日の琉球新報より)。飲酒の事実を突き止めた県警の苦労も実らなかった。加害者が日本人だったら、当然、起訴される事件なのに、米兵だから起訴されないなんて、こんなことは、いつまで続くのかね。
なお、飲酒運転では起訴されなかったが、自動車事故で相手にケガを負わせ、教護もせず逃げたことは隠しようのない事実なので、自動車運転過失傷害と道交法違反では起訴された。

NEW《さらに追記》 結末をお知らせする。この事件の判決が、平成26年6月11日、那覇地裁であり、2等軍曹に対し、懲役1年4月、執行猶予3年が言い渡された。裁判官は「飲酒運転の発覚を恐れ、救護もせずに逃走した。自己中心的かつ卑劣だ」と批判した。(平成26年6月12日の琉球新報より)。


 

ウチナーンチュ(沖縄県人)のなかには本土の人間を快く思っていない人もいるようだ。来たばかりで、ナンバープレート変更をしていなかった頃、スーパーの駐車場に車を置いていたらサイドミラーを逆に曲げられた。オートミラーだから相当、力を入れないと曲げられないので、これは悪意でやっている。直そうとしたが、片手では戻せなかった。早く沖縄ナンバーに変えなくては・・・。沖縄ナンバーに変えるのには、車検証や住民票などを持って最寄りの国土交通省陸運事務所へ。といっても沖縄本島には、浦添市にしかない。なお、軽自動車は陸運事務所ではなく浦添市にある軽自動車検査協会なので間違えないように。


《車や道路と関連のあるページ》
  ・那覇市の交通渋滞
  ・沖縄の道路は滑りやすい。ウソ・ホント?
  ・沖縄のレンタカー
  ・坂道の多い島
  ・水没
  ・軽自動車の多い沖縄
  ・沖縄県人は自転車に乗らない?

☆地名と人の名前

私は沖縄には昭和40年代の後半から度々来ているが、それでも市町村名が、なんとか読める程度。地名が正確に読めるようになるには時間がかかりそう。同じ漢字でも読み方が違うことがある。たとえば、

1.南風原
2.西原

 1.の原は「ばる」と読むので、「はえばる」 島尻郡の町名
 2.の原は「はら」と読むので、「にしはら」 中頭郡の町名、ただし、うるま市西原町は「いりばる」と読む。

3.豊見城
4.与那城
5.南城

 3.の城は「ぐすく」と読むので「とみぐすく」 都市名
 4.の城は「しろ」と読むので「よなしろ」 旧村名、ただし、西原町与那城町は「よなぐすく」と読む。
 5.の城は「じょう」と読むので「なんじょう」 都市名

何か読み方の法則があるのかもしれないが、私には分からないので、そのまま覚えるしか、他に方法がない。平良は本島では「たいら」と読むのに宮古島では「ひらら」と読む。勢理客は、今帰仁村や伊是名村では「せりきゃく」と読む。これは普通に読めば、そう読める。しかし、浦添市では「じっちゃく」と読む。国道58号線を走っていて信号で停車したとき見つけた。Give Up!

東西南北は、東が「あがり」で、西は「いり」。これは太陽が東から上がり、西に入るからだと思う。南は「はえ」、北が「にし」。何故そう読むのかは、わからない。

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<ご参考> では、あなたの沖縄知識度をチェックする問題です。次の地名を読んでください。
1.平安座  2.東風平  3.東浜  4.為又  5.桃原  6.沢岻  7.比屋根  8.保栄茂  9.饒波
10.世富慶
答えは、このページの少し下に。自慢にもなりませんが、沖縄に家さがしに来た当時、私が読めたのは1つだけでした。違った読み方をして不動産屋さんに訂正されて覚えました。
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人の名前(名字)も難しい。私が勤めていた会社に沖縄出身者がたくさんいたので、少しは分かるようになった。喜屋武「きゃん」さんはパソコンで変換できたが、仲村渠「なかんだかり」さんは変換できなかった。ともに沖縄では、よくある名前だそうだ。決して「珍しいお名前ですね」と言ってはいけない。沖縄では、あなたの名前のほうが珍しい。

近くに住む年配の方と、よく顔を合わせる。言葉を交わすようになったが、半分は、いや、半分以上は理解できなほど方言がキツイ。あまり聞き返すと失礼になると思って分かったような顔をしたが、外国語を聞いているみたいだ。学生時代、鹿児島出身の同級生がいたが、まったく言っていることが分からず、宮崎県人が通訳をしてくれた。こちらでは、誰も通訳してくれなかったが、こちらの言っていることは理解されたようなので少し安心した。私の住んでいるアパートにアメリカ人が住んでいる。ときどき分かる単語があるので、言っていることは、おおまかに理解できるので困ったことはないが、日本人と話をするのに困っている。

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【こたえ】一例です。同じ漢字を書いても読み方が違う場合があります。また、今回は地名での出題ですが、人の名前になると、また違う読み方で、7.比屋根は、人名だと「ひやね」さんでした。
1.へんざ  2.こちんだ  3.あがりはま  4.びいまた  5.とうばる  6.たくし  7.ひやごん  8.びん
9.のは  10.よふけ


なお、この続きの地名クイズは、こちらからどうぞ。


《ご参考》面白いデータを図書館で見つけたのでご紹介する。沖縄に多い名字のベストテンである。出典は昭和15年は沖縄県統計協会調べ。53年はコンピュータ調べ。平成24年は電子電話帳Ver17全国版より。

  昭和15年 昭和53年 平成24年
1 比嘉 金城 比嘉
2 金城 上原 金城
3 宮城 比嘉 大城
4 島袋 大城 宮城
5 知念 宮城 新垣
6 新垣 新垣 玉城
7 上原 平良 上原
8 大城 玉城 島袋
9 宮里 宮里 平良
10 玉城 仲村 山城

興味深いことは、昭和15年には比嘉さんは、「ひじゃ」と読んだが、同53年には「ひが」と読ませる。金城さんは、同様に「かなぐしく」→「きんじょう」に、上原さんは、「うぃーばる」→「うえはら」に、大城さんは「うふぐしく」→「おおしろ」、新垣さんは「あらかち」→「あらがき」へ、戦争を境に読み方が大和風へと変わった。平成24年の第一位の比嘉さんは、およそ46,000人、三位の大城さんはおよそ43,000人という結果だった。また、昭和15年にはベストテン入りしていて平成24年に名前のない知念さんは第11位。宮里さんは12位。
このデータは沖縄全県だが、離島のデータもあった。
 宮古島三大姓は、1.平良 2.砂川 3.下地
 石垣島三大姓は、1.石垣 2.宮良 3.大浜
(「沖縄・姓名と風土」多和田真助著とHP「名字由来Net」より)



《追記》2012年のドラフトでソフトバンクから1位指名された亜大出身の東浜投手は、当たり前だが「ひがしはま」と読む。家を探していたとき、新築で検索すると与那原町の「東浜」の物件が数多く見つかる。当然「ひがしはま」としか読めないので、不動産屋の営業マンと電話で話をしていたとき、「ひがしはまは埋立地だよね」と言ったら、一瞬、間があって「あがりはま」と訂正された。「エェ〜〜、そんな読み方するの〜」と驚いた。地名では、名護市に東江1丁目から5丁目まである。「あがりえ」と読む。島内の眼鏡屋で一番大きな東江メガネというチェーン店がある。毎週のように新聞には折込チラシが入る。「あがりえめがね」だった。

前述の東浜投手は、沖縄尚学高校出身で、彼が東都リーグで活躍すると、その日の新聞はプロ野球の結果より大きな扱いとなる。ドラフトで指名されたときも誰よりも大きく取り上げられ、このところの新聞は、「入寮した」、「野球日記を継続する」、「ノックを受けた」と連日、東浜投手の一挙手一投足が大きな活字と写真で掲載されている。最初に聞いた読み方が衝撃的だったので「あがりはま」と読んでしまう。

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