このサイトは、岐阜県の山に登られる方からのアクセスが多いため、6年前から岐阜県のクマの出没情報をご提供してきましたので、今年も「平成30年のクマ情報」をWeb upすることにいたしました。これからの季節に山に入る方は、十分に注意してください。なお、この内容は、岐阜県、県自然環境保全課、高山市などの情報をまとめたものですので、詳細は各サイトでご確認ください。
クマの出没件数は、平成23年度は岐阜県全県下で242件、同24年度−297件(乗鞍岳で目撃された42件は除いています)、同25年度−358件(同47件)、同26年度−1,446件(同125件)、同27年度は492件(同58件)、同28年度は417件(同56件)、そして、昨年度は過去6年間では2番目に多い595件でした(同38件)。なお、最近、市街地に近い所でイノシシや猿の目撃報告も寄せられています。十分、注意してください!
地名については、高山市は巨大な市域を持ち、大阪府より広く東京都とほぼ同じ面積です。そのため、新たに高山市となった町村は、平成の市町村合併前の旧町村名で表示しています。高山市以外でも「郡上市鮎立」、「飛騨市東雲」は、それぞれ「高鷲村鮎立」、「神岡町東雲」と少しでも狭い範囲となる旧町村名で表示しています。
なお、地名のふり仮名は、私が分かるものには付けましたが、地元では違う呼び方をするかもしれません。違っているときはご容赦ください。 (--、) また、Rは国道の略、固有名詞での表示は、その付近で目撃されたという意味です。
NEW 「今年はドングリ類が凶作に」
岐阜県は、飛騨地域で12月にかけて、冬眠前のツキノワグマが餌を求め人里周辺に出没する頻度が高まる恐れがあると発表しました。秋の主な餌となるドングリ類のブナやミズナラが凶作、コナラが大凶作と予測されるため。県は被害に遭わないよう注意を呼び掛けています(10/28毎日新聞より)。
《ご参考》
令和4年(2022)の出没情報は、⇒コチラから。
令和3年(2021)の出没情報は、⇒コチラから。
令和2年(2020)の出没情報は、 ⇒コチラから。
平成31年(2019)の出没情報は、⇒コチラから。
平成29年(2017)の出没情報は、⇒コチラから。
平成28年(2016)の出没情報は、⇒コチラから。
平成27年(2015)の出没情報は、⇒コチラから。
平成26年(2014)の出没情報は、⇒コチラから。
平成25年以前は削除しました。
地名の読みについて
昨年の「平成29年(2017)の出没情報」のなかで、旧荘川村の「六厩」のふり仮名を私が「むまい」としたところ、飛騨市の方から「むまや」ではないかというご指摘をいただきました。調査の結果は昨年のページにご紹介しましたが、今年になって、それをご覧になった荘川町にお住まいのKさんから次のようなメールをいただきました。
「六厩」の読み方については、行政上は「むまや」ですが、ハイホーさんが調べられた通り、地元では「むまい」で通っています。なぜ、読み方が違うかについては、高校の教師をしていた祖父がこう言っております。ただし、確証はありません、とのことでした。
《いただいたメールは長文でしたので、Kさんにはご了解を得て、次のとおり要旨のみにさせていただきました。》
飛騨地方は明治維新以降、飛騨県となり、その後、高山県、筑摩県を経て美濃と合併して岐阜県になりました。明治時代初頭、市制、町制が敷かれたころ、高山の役人が地理、地形調査のため、地図や書類を背負って荘川方面に出かけました。
今でこそ高山から荘川へは、国道158号線や高速道路が出来て快適な道路になっていますが、明治のころは、歩くにも大変な急坂が続く難所続きの道だったのです。高山を出ると、まず海抜1,002メートルの小鳥峠(おどりとうげ)を越えなければなりません。せっかく峠まで登り詰めたのに、大きく下ったところにあったのが「夏厩」という集落でした。
そして、次は、狭く曲がりくねった道が続く海抜1,085メートルの松の木峠を越えねばなりません。役人は、峠まで来ましたが、帰りも同じ峠を上り下りして戻らなければならないことを考えると、こんな辛い思いをするのは もう止めたと、峠から引き返してしまいました。
松の木峠を越えれば「六厩」という集落があるのは分かっていましたが、読み方が分かりません。引き返した集落の「夏厩」は、「厩」を「まや」と読むので「なつまや」です。また、聖徳太子は「厩戸皇子」と呼ばれていましたが、「厩」は「うまや」なので、役人は何の疑問も持たず、それなら「六厩」は、「むまや」だろうと思い込み、「六厩」に「むまや」とふり仮名を付けてしまったのです。
このため、地元では「むまい」なのですが、行政上は「むまや」になってしまったのだそうです。Kさんには、わざわざお知らせいただき、ありがとうございました。
このことを聞いて、昔、高山にいた頃に地元の学校の先生(私の一学年上の先輩で、最初の赴任地が白川郷の平瀬小学校だった)から聞いた話しを思い出しました。それは、白川郷の学校への転勤を命じられた先生が赴任するとき、あまりにも道が険しくて、最初の小鳥峠で「ビックリ」し、二つ目の松の木峠で行くか止めるか「思案」し、三つ目の軽岡峠で、「辞職」するに決めたというもので、峠には、それぞれ「びっくり峠」「思案峠」「辞職峠」という別名があったのだそうです。
Kさんから伺った内容には、軽岡峠はありませんでしたが、軽岡峠は海抜1,217mですので、この三つの峠の中では一番高いところです。先生が辞職を決断するには十分な条件ですね。軽岡峠に馬車が通るようになったのは明治の終わりころと聞いたことがありますので、その前はどんな道だったのでしょう。私の先輩は、荷物をトラックで運んだそうなので、退職せず数年の年季奉公を終え、無事、高山の学校に戻ってきました。ただし、その当時は、冬の間、道路が閉鎖され陸の孤島になるので、村から出るには決死の覚悟が必要だったそうです。
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以下は、「クマ出没注意報」が発令されたときの注意事項。
◎予防策としては、鈴やラジオなど音の出るものを身につけるなど、クマと遭遇しない工夫が必要。ほかにも単独行動は避け2人以上で行動する。新しい糞や足跡を見つけたときは、すぐに引き返す。残飯は必ず持ち帰る(味を覚えさせない)ことが必要です。そのほかの注意点は、次のとおり。
■クマの注意点(森林総合研究所野生動物研究領域)
【出合わぬために】
・出没情報のあった場所に近づかない。
・山とつながっている林や川沿いのやぶでは特に注意する。
【クマに出合ったら】
・背を向けず、目を合わさず、ゆっくり後退する。
・大声を出したり走って逃げたりしない。
・襲われたら両腕で顔や頭の大ケガを避ける。
【遭遇したら…「死んだふり」はダメ 三重県で学習会】
「今こそ知ろう!ツキノワグマとのつきあい方」と題する学習会(NPO法人県自然環境保全センター主催)が6月27日、三重県菰野町の御在所岳にある「ございしょ自然学校」で行われました。講師役の農学博士、橋本幸彦さん(46)は「人がいることをクマに知らせ、遭わないようにすることが一番大事だが、ばったり遭ってしまったら、目を合わさずに後ずさりして」とアドバイスしました。(以上、平成27年6月28日、毎日新聞より)
《啓発ちらし》⇒「クマのこと、知っていますか? 岐阜県のツキノワグマ」(岐阜県作成)
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